おまとめローンと債務整理の比較!違いを解説!どっちにする?

「おまとめローンで借金の返済負担を軽くしよう」というコマーシャルを見たことがある人は多いと思います。

おまとめローンは、複数から借りているお金を別の1社から借り直すことで、返済負担を軽くして完済を目指す方法です。

でも、おまとめローンと債務整理はどう違うのでしょうか?

得するという言い方はおかしいですが、自分にとって得となるのはおまとめローンと債務整理のどちらの手続きなのでしょうか?

おまとめローンと債務整理では、多重債務問題・借金問題を解決する方法として、どちらが有効なのかを検討してみましょう。


もくじ

おまとめローンとは?

おまとめローンは、複数からお金を借りている借金を改めて1社から借り換えることです。

「すでに多重債務なのにまたお金を借りるの?」と思われるかもしれませんが、借り換えに成功すると返済負担を軽くすることができるんです。

例えば、消費者金融3社から以下の借り入れを行なっているとします。

・A社:金利18%で50万円。返済額は毎月10,000円
・B社:金利18%で80万円。返済額は毎月12,000円
・C社:金利18%で30万円。返済額は毎月3,000円
合計160万円の借り入れ。毎月の返済額は25,000円

この借り入れをD社の金利15%のおまとめローンで借り換えをした場合、A・B・C社には完済することができます。

今後の返済はD社だけで良いですし、金利が3%低くなっているので、毎月の返済額を下げることができます。

これがおまとめローンの主な流れになります。

参考:おまとめローンとは?借金を一本化するメリットと借り換えローン一覧

おまとめローンのメリット

複数の借金を1本化して借りなおす「おまとめローン」のメリットをご紹介します。

金利負担が下がる・毎月の返済額を減らせる

カードローンの金利は利息制限法によって上限金利が定められているのですが、おまとめローンとして借り換えをする場合は金利が下がるケースが多いです。

▼利息制限法による上限金利
・限度額が10万円未満:年利20%まで
・限度額が10万円~100万円未満:年利18%まで
・限度額が100万円以上:年利15%まで

消費者金融3社からそれぞれ100万円未満でお金を借りている場合、上限金利は18%になりますが、おまとめローンで100万円以上借り直せば上限金利は必ず15%になります。

おまとめローンで借りなおすと、金利が下がることで毎月の返済額を減らすことにもつながります。

返済先が1社にまとまる

借り入れ先が複数あると返済回数も多いですし、返済日もバラバラになります。

これは返済日を間違えたり、面倒になってしまって、つい延滞をしてしまう原因のひとつになってしまいます。

おまとめローンで借り直せば返済先も1社になりますので、返済の手間を減らすことができて延滞の防止にもつながります。

おまとめローンにデメリットはある?

メリットが多いおまとめローンですが、知っておきたいデメリットもあります。

おまとめローンには審査が必須

おまとめローンはお金を改めて借り直す仕組みなので、借り換え前には審査が行われることになります。

すでに多重債務の状態で借り直すわけなので、審査は甘くはないでしょう。

また、その人の返済能力によっては、今抱えている借金分の全額を借りられないこともあります。

借金そのものが減額されることはない

おまとめローンは、借入先をまとめて金利を下げて、返済負担を減らしながら完済を目指す借り入れ方法です。

お金を借り直すことになるので、借金そのものが減額となることはありません。

また、債務整理のように借金問題を法的に解決するための方法ではないので、おまとめローンに成功してもその後の返済によってはかえって借金が増えてしまうこともあります。

今後の返済方法によっては返済期間が長くなる・返済総額が増える

おまとめローンでお金を借り直すと、金利が下がって毎月の返済額を抑えることができます。

しかし、おまとめローンで毎月の返済額を減らしすぎてしまうと返済期間が長くなってしまいます。

気がついたら借り換えをする前よりも返済総額が増えているということもありますので、おまとめローンでの借り換えに成功したら、繰上げ返済も活用してなるべく早い完済を目指すようにしましょう。

払いすぎた利息があっても戻ってこない

債務整理では、払いすぎた利息(過払い金)があると、過払い金返還請求を行うことでお金が戻ってくることになります。

おまとめローンでは金利の引き直し計算は行わないので、過払い金があるかどうかもわかりません。

過払い金があったとしても取り戻すこともできません。

借金が増えることがある

例えば消費者金融A社から50万円とB社から100万円借りていて、C社でおまとめローンを行なったとします。

A・B社への返済は完了となり今後はC社だけに返済を行うことになるのですが、A・B社の借り入れ枠は満額残っていることになります。

ここでA・B社との契約を解約しておかないと、またお金を借りてしまうことがあるかもしれません。

「お金に困った時に備えて借り入れ枠は残しておきたい」と思われるかもしれませんが、勇気を持って解約しないと、またを増やすことになりかねません。

おまとめローンの返済例

ここでは、おまとめローンの借り入れ・返済の例をご紹介します。

以下の条件で150万円の借り入れを行なっているとします。

アコム プロミス アイフル
借入額 50万円 40万円 60万円
金利 18% 17.8% 18%
毎月の返済額 15,125円 11,000円 16,000円
完済までの期間 47回(3年11ヶ月) 53回(4年5ヶ月) 56回(4年8ヶ月)
完済時の利息の合計 195,756円 179,111円 288,626円

 

毎月の返済額の合計は42,125円で、このまま払い続けた場合の利息の返済総額は663,493円になります。

おまとめローンに成功した例

この150万円を金利15%で借り換えをして、今までどおり約42,000円の返済を続けた場合の利息や返済期間は以下のようになります。

借り換えをした場合
借入額 150万円
金利 15%
毎月の返済額 42,000円
完済までの期間 48回(4年)
利息の合計 489,342円

 

おまとめローンで借り直して今まで通りの返済を続けると、返済期間は8ヶ月短くなり利息の合計は174,151円も減らせることになります。

おまとめローンに失敗した例

おまとめローンでお金を借り直すことができても、毎月の返済額を減らしすぎてしまうと、借り換え前よりも返済総額が上がってしまうことになります。

上記と同じように150万円を金利15%で借り直して、毎月の返済額を30,000円に減らすとこうなります。

借入額 150万円
金利 15%
毎月の返済額 30,000円
完済までの期間 79回(6年7ヶ月)
利息の合計 846,064円

 
せっかくおまとめローンで一本化に成功しても返済負担を減らしたいからといって毎月の返済額を少なくしすぎると、返済期間が非常に長くなって利息も膨らんでしまうことになります。

おまとめローンで借り直してなるべく早く完済するには、今までと同じくらいの金額を返済した方が良いでしょう。

おまとめローンは本当の問題解決にはならないことがある

おまとめローンで借り換えをして、完済するまで今まで通りの返済額を返していければ借り換え前よりも短期間で完済することができ、利息の合計も減らすことができます。

これができれば「おまとめローン」で借金の一本化をすることに大きな意味があることになります。

しかし、おまとめローンは、申し込みをしても借り換えに成功しないこともあります。

もともと多重債務を抱えている人向けの融資ではあるのですが、その分、返済能力は厳しく問われることになりますし、必要な金額を全額借りられるとも限りません。

お金を借り直せたとしてもその後の返済によっては逆に利息が増えてしまうリスクがあることもご説明した通りです。

おまとめローンは、自分の意思や返済能力次第では借金返済に近づけないこともあるのです。

借り直せたからといって決して安心はできず、ここからの返済が非常に重要になります。

債務整理とおまとめローンはどう違う?

おまとめローンのメリット・デメリットを確認したところで、次は債務整理とおまとめローンの違いを見ていきましょう。

債務整理は、抱えている借金を減額したり支払いに猶予を持たせることで、毎月の返済負担を軽くして完済を目指したり、借金の額によっては全額免責にする法的な手続きになります。

債務整理には4つの方法があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。

任意整理とは?

任意整理は利息や延滞金のカットを債権者と交渉して、借金の返済を減らす債務整理です。
任意整理は裁判所を通さずに債権者と直接交渉をするのが特徴です。

一般的には弁護士・司法書士に依頼して、債務者の代理となってもらって手続きを進めることになります。

任意整理のメリット

任意整理は最も手軽な債務整理方法になるので、多くの方がまずは任意整理で返済負担を軽減しています。

弁護士・司法書士に任意整理を依頼すれば家族に内緒で手続きを進めることもできますし、財産の処分もありません。

また、任意整理の対象とする債権者を選ぶことができるので、保証人がついている債務だけを外したり銀行カードローン以外を整理するなどの方法も可能です。(銀行カードローンを債務整理すると、その銀行の口座は凍結されることになります)

任意整理のデメリット

任意整理に限らずですが、債務整理を行うと必ずブラックリスト入りすることになり、ブラックリスト入りしている期間は、以下のようなリスクがあります。

・クレジットカードを作れない
・カードローンなどでお金を借りられない
・住宅ローン、マイカーローンなどのローンを組めない
・子供の奨学金の保証人になれない(あらゆる保証人になれません)
など

任意整理の大きなデメリットは、このブラックリスト入りすることくらいです。
任意整理でブラックリスト入りする期間は、和解が成立した日から最長5年になります。

特定調停とは?

特定調停の最も大きな特徴は、弁護士・司法書士に依頼せずに自分で書類を揃えて裁判所に申立をする点です。

ただ、債権者との和解交渉は裁判所が行うことになるので、直接対峙することはありません。

特定調停で減額となるのは利息と交渉によっては延滞金の部分になりますので、任意整理と似ています。

特定調停のメリット

特定調停のメリットは、自分で申し立てができることから費用が最も安い点で、債権者1社あたり1,000円ほどで手続きを行うことができます。

特定調停のデメリット

特定調停は減額できる金額を考えると、ややデメリットが多い手続きと言えるかもしれません。

弁護士・司法書士に依頼しないで進めるので、自分の仕事や生活の中で煩雑な書類を自分で作ることになりますし、必要な手続きも当然全て自分で進めることになります。

不明点があったら裁判所に確認すると教えてもらえるのですが、裁判所は平日しか空いていません。手続き中は多くて4回程度の出廷が必要になるのですが、この調停も平日になります。

債権者との交渉は裁判所から任された調停委員が行うことになるのですが、必ずしも債務整理の専門家が担当してくれるとは限りませんので、思ったような減額にならないこともあります。

特定調停で減免となる金額は任意整理と似ているので、自分で特定調停を行うよりも弁護士・司法書士に任意整理を依頼する人の方が多いというのが現状です。

なお、特定調停でブラックリスト入りする期間は最長5年になります。

個人再生とは?

個人再生は債務を大幅に減らすことができる債務整理の方法で、減額できる金額は借金の総額によって最低弁済額が決まっています。

▼個人再生の最低弁済額

借金の総額 最低弁済額
100万円未満 借金総額
100万円以上500万円以下 100万円
500万円超1,500万円以下 借金総額の5分の1
1,500万円超3,000万円以下 300万円
3,000万円超5,000万円未満 借金総額の10分の1

 

借金が500万円ある場合は100万円まで減らすことができますし、1,000万円ある場合は5分の1となる200万円まで減らすことができるんです。

減額の幅は非常に大きいのですが、減額された金額は原則として3年、裁判所の許可があれば5年で返済することになるので、一定以上の返済能力がないと個人再生の手続きを行うことはできません。

個人再生のメリット

個人再生のメリットは債務を5分の1から最大10分の1まで減らせるところです。

残った債務は原則として3年かけて返済することになっているので、完済の目処もたちます。

また、個人再生の場合、住宅ローン特則を利用すれば、持ち家を残すこともできます。

借金の大幅な減額を希望するけど、家は残したいというときは自己破産よりも個人再生が選ばれることが多いです。

個人再生のデメリット

個人再生は、抱えている全ての債務が対象になるので、債権者を選ぶことができません。

例えば保証人がついている500万円の借金を個人再生すると、債務者の返済は100万円になりますが、減額された400万円は保証人が請求されることになります。

個人再生は手続き終了後も最低でも3年間は返済の義務が続きます。そのため、返済能力の有無を裁判所から厳しく判断されることになります。

また、個人再生を行うと「官報」に名前と住所が記載されることになり、ブラックリスト入りする期間は5年~最長10年になります。

自己破産とは?

自己破産は抱えている借金が全て免責となる手続きです。借金の返済ができないことを裁判所に認めてもらうことで、返済の義務が全て無くなります。

4つの債務整理のうち、自己破産は唯一手続き後の返済が不要な方法にですが、自己破産は非常に多くの財産を失うことになります。

自己破産のメリット

自己破産が認められると抱えている全ての債務が無くなりますが、これが自己破産の最大のメリットです。

自己破産のデメリット

自己破産は債務がゼロになる代わりに、デメリット・リスクも大きい債務整理方法になります。

まず、自己破産をすると1点あたり20万円を超える財産は全て回収されることになり、持ち家も手放すことになるので、家族にも影響があります。

また、自己破産の申し立てをしてから免責が認められるまでの間は、職業によっては仕事に就けなくなるケースもあります。

さらに、自己破産も官報に氏名と住所が記載されることになり、ブラックリスト入りする期間は、5年~最長10年になります。

【まとめ】債務整理とおまとめローンはどっちがお得?

借金問題を根本から解決したいなら、お金を借り直すおまとめローンよりも債務整理を検討すべきでしょう。

自分に強い意志があれば、おまとめローンで借り換えることで効率良く借金を減らすことができるのですが、おまとめローンには借金が増えてしまう危険性もあります。

ただし、債務整理には必ずブラックリストに載ってしまうという大きなデメリットがありますので、おまとめローンで借り直すことで延滞せずに完済できる場合は、おまとめローンの方が合っていることになります。

▼おまとめローンが向いている人は?
・ブラックリストだけは避けたい人
・金利が下がることで利息が少し減れば、延滞せずに完済できそうな人
・返済先を1カ所にまとめたい人
など
▼債務整理が向いている人は?
・おまとめローンで債務を全額借り換えできない人
・おまとめローンで借り直しても、完済した債権者からまたお金を借りてしまいそうな人
・過払い金がありそうな人(過払い金があったらお金を取り戻すこともできます)
・借金の額が多すぎて、返済を続けるのは実質無理という人
など

おまとめローンでお金を借り直すことで借金の返済ができそうな場合は、まずおまとめローンでお金を借りられるかどうか申し込みをしてみても良いかもしれません。

おまとめローンの審査に落ちたり、全額借り換えができなかった場合は、改めて債務整理を検討してみるという方法もあります。

ただ、借金問題の本質的な解決を望むなら、おまとめローンで借り直すよりも債務整理に着手した方が確実であることは間違いありません。

おまとめローンと債務整理(任意整理)の比較表

おまとめローン 任意整理
返済先は? 1社になる 変わらない
利息は? 下がるケースが多い 原則として0円になる
返済の総額は? 今後の返済回数によっては減ることも増えることもある 利息分(場合によっては延滞金も)が減額される
メリットは? ・ブラックリストに載らない
・返済先が1社になるため、管理がラクになる
・今までよりも利息が安くなることが多い
・専門家に依頼することによって、借金返済の自覚が強く芽生える
・任意整理を専門家に依頼すると即日または数日で取り立てがストップする
デメリットは? ・担保を求められることがある
・毎月の返済額を減らしすぎると返済期間が長引き結果的に返済総額が増えることになる
・完済したカードローンなどを解約しないと、再び借り入れをしてしまうこともある。
・ブラックリストに載る
・専門家に依頼すると費用がかかる

 

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