警察に闇金相談するメリットは?逮捕してくれる?

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「闇金は違法業者だから警察に相談すれば対応してもらえるはず」と思っている人は少なくないと思います。

しかし、警察の活躍を追うドキュメント番組などでは「闇金対策を警察に相談したけど対応をしてもらえず・・・」といった事例を見かけることもあります。

闇金問題を警察に相談しても無駄なのでしょうか?違法なのに逮捕してもらうことはできないのでしょうか?

ここでは、闇金と警察という観点から、対策をお願いする具体的な方法や、逮捕の実例、警察に相談するメリット・デメリットなどを詳しくご紹介しています。

闇金問題をどこに相談したら良いかわからない人や、警察に相談しようか迷っている人の参考になるかと思いますので、ご覧になってみてください。


もくじ

闇金相談で警察は動いてくれない?

まず、闇金問題の対応は警察に相談すべきなのでしょうか?闇金問題を警察に相談した場合の対応は2つに分かれることになります。

1.「民事不介入」として対処してもらえない
2.事件性があると認められ対策をとってもらえる

1.「民事不介入」として対処してもらえない

民事不介入は、警察権が民事の紛争に介入すべきではないとする原則になります。

例えば貸したお金を返してもらえないなどのトラブルは民事事件として扱われるため刑事事件にはなりませんので、民事不介入となり警察の対応は期待できません。

一般市民にとっては、警察が関与したくないための言い訳のようにも聞こえますが、警察の仕事を考えると個人間のトラブルに警察が逐一関与していられないのは当然のこととも言えます。

闇金問題には色々ありますが、「闇金から高い金利でお金を借りてしまいました。なんとか支払わないで済むようにできませんか?」という相談では、具体的な対応は期待できないでしょう。

ただし事件性が感じられるような闇金であれば対策をとってもらえることもあります。

2.事件性があると認められ対策をとってもらえる

闇金問題で悩んでいる人の多くは、闇金の嫌がらせ、悪質な取り立てにも困っているのではないでしょうか。

そういった具体的な取り立て行為に困っていて、放っておけば事件に発展する可能性があると判断されたものに関しては警察が動いてくれることもあります。

例えば、

・早朝や夜中に家のドアや窓を叩かれて恐怖を感じる
・闇金から家族に返済を要求された
・会社に押しかけて来られた
・子供の学校に押しかけて来られた
・闇金から暴力を受けた

など。

目安となるのは闇金から「具体的な被害があった」と判断してもらえるケースです。

闇金から暴力を受けたというのはまさにこれに該当します。

または「事件に発展しそうと判断できる」というのも警察が動くきっかけになります。

なお、貸金業法では深夜や早朝(午後9時から午前8時)などに取り立ての電話をかけたり、家に来たりする行為は禁止されています。(貸金業法 第二十一条 取立て行為の規制)

万が一こういった状況に陥ってしまったら、すぐに警察に連絡して闇金について相談してください。

闇金は違法業者なのになぜ逮捕してもらえないの?

闇金業者から被害を受けていることを警察に訴えてもそう簡単に逮捕となることはありません。

執拗な嫌がらせが続くなどの心理的な被害が大きかったとしても、闇金が嫌がらせをしたという証拠や、違法と結論づけられるような確かな証拠がなければ警察は積極的に介入してきません。逮捕はそう簡単にできることではないのです。

警察が闇金逮捕に積極的ではない理由として最もよく利用されるのはやはり「民事不介入」でしょう。

「闇金からかかってきた電話は無視してください」と言われて終わったり、「元金と法定金利分の利息を返済すれば問題ないはずです」といった指導をされることもあります。(これは間違いです!)

また、警察の仕事が膨大すぎて、個人の闇金問題に付き合っていられないという背景もあるでしょう。

闇金は大手消費者金融のようにきちんとした拠点を構えて運営しているわけではありません。闇金は携帯電話だけで営業しているような実態がつかめないところも多いので、管轄の問題もあります。

ちょっと不思議な感じもしますが、一般市民が闇金問題で警察を動かすのは並大抵のことではないと思っておいたほうが良さそうです。

闇金問題を警察に相談する際のポイント

闇金問題の相談のために交番や警察署に行って、「闇金の相談に来ました」と告げたとします。

もちろん丁寧に話を聞いてもらえる場合もありますが、警察に行く場合は最初に「目的」を告げた方が効果的な場合もあります。

「借金の相談ではなくて、闇金から受けている被害について相談に来ました」と告げるようにします。

110番に闇金問題を相談してもいいの?

闇金対策のためにいきなり110番をしても良いのか迷うこともあると思います。

110番に電話をすべきタイミングは「今この瞬間に困っている」という時です。緊急対応を警察にお願いしたい時ですね。

闇金取立てが玄関のドアを蹴りつけている、窓の向こうに確実にいる、家の周りで大声で脅してきているなど、現在進行形で迷惑行為を行なっている場合は110番でも大丈夫です。

緊急時以外のケースで110に電話をかけることはやめておきましょう。

緊急性が高くないときは、準備を整えてふさわしい部署に闇金問題について相談に行った方が間違いなく効果的です。

闇金問題は「生活安全課」に相談します

警察の中にはたくさんの部署があり、相談の内容によって受付を行なっている部署が異なります。

闇金の相談は「警察署の生活安全課」に行いましょう。

警視庁でも生活安全課に相談することを推奨しています。

▼ヤミ金について相談したい
相談内容により、取り扱いの部署が違ってくる場合があります。該当の方が住んでいる警察署の生活安全課にご相談ください。

<参考>:ヤミ金・マルチ商法で困っている。【警視庁】

闇金問題について直接相談をしたい場合は、お住いの地域の警察署に行って生活安全課の担当者に相談するようにしましょう。

その際にも、「借金の相談」ではなく「闇金被害の通報」に来ていることを窓口で伝えます。

警察に闇金相談をする際に必要な持ち物は?

必ず持参すべきものはありませんが、闇金との関わりがわかる書類や闇金から嫌がらせをされた証拠があれば、持っていくと警察が対応しやすくなります。

闇金の名称、連絡先がわかる書類

お金を借りてしまった闇金の名称、電話番号など、相手を特定できる情報を用意しておきましょう。

闇金指定の口座情報

口座振込で返済をしている場合は、その口座情報(銀行名、支店名、名義、口座番号)も用意しておきます。

闇金からお金を借りた日、返済をした日

闇金からお金を受け取った日や返済をした日も全て記録しておくとなお良いです。全てがわからない場合は、わかる範囲で良いので記録を書き出しておきましょう。

闇金から借りた金額、返した金額

闇金から受け取った金額と、自分が返済した金額も記録しておきます。

振込で返済した場合は通帳や振込の記録が残っているはずですので、それらを持参すると良いでしょう。ATMの利用明細でも大丈夫です。

録音や動画など

闇金との会話や脅されている録音、動画などがあれば持参します。録音・動画は非常に大きな証拠になります。

大事なことはできるだけ多くの情報提供をすること

一般市民には判断できなくても、警察や弁護士・司法書士などの専門家が見たら重要な手がかりになるようなものも必ずあります。

「こんなものを提供しても役に立たないだろう」と思われるようなものでも、全て持参してください。

闇金について、できるだけたくさんの情報を提供することは、自分にとっても社会にとっても良いことだと思っておきましょう。

警察署で対応をしてもらえなかったら?

残念なことに警察は闇金の専門家ではありませんので、知識が乏しかったり、確たる証拠と言えるものがないなどの理由から、自分が期待していたような対応をしてもらえないことがあります。

そういう場合は、「#9110」に電話をして相談してみましょう。

「#9110」は全国共通の警察相談専用電話になります。事件や犯罪は発生していないけど警察に相談したいことがある場合などに対応してもらえる電話番号になります。

現在、年間に110番通報される件数は900万件を超えています。その数は約3.4秒に1回というとんでもない数なのですが、その中には決して緊急性が高くないものもあるのです。

上の項目でもお伝えしたように、今この瞬間に闇金から脅されているといった場合などの緊急時には110番すべきなのですが、闇金対応についての被害や今後の対策を相談したいという場合は「#9110」に相談するようにしましょう。

警察署で対応してもらえなかったことも伝えてみましょう

最寄りの警察署に相談をする前に「#9110」に問い合わせをしてしまうと、「そういった件は最寄りの警察署に相談をしてください」と案内されてしまうこともあるかもしれませんので、順番としては最初に警察署の生活安全課に相談をします。

生活安全課で対応をしてもらえなかったら「#9110」に改めて相談をするという流れが良いでしょう。

そして、「#9110」では「警察署の生活安全課にも闇金について相談をしたのですが、具体的な対応をしてもらえなかったのでこちらに相談しました」ときちんと伝えましょう。

どこの警察署のなんという部門の担当者に闇金の相談をしたのかを伝えることで、対応を期待できることもあります。

「警察」と「弁護士・司法書士」、闇金問題の相談はどちらにすべき?

闇金の専門家としては、警察の他にも弁護士・司法書士といった存在もあります。

警察に相談するメリット・デメリット

警察に闇金問題を相談するメリットは、まず費用が1円もかからないことです。

警察は税金で活動しているので、動いてもらうためにお金がかかることはありません。

また、闇金は警察が介入することをとても嫌います。そのため警察が実際に介入してくれたら非常に大きな効果があるでしょう。

違法業者を検挙できるのも警察です。

弁護士・司法書士といった専門家よりも、費用対効果の面では絶大な効果があると言えます。

逆に警察に相談をするデメリットは、腰が重いことでしょう。

何度もお伝えしていますが警察は事件性が感じられるとか、具体的な証拠がなければ動いてくれない可能性も非常に高いです。

「具体的な対応をしてもらえないことも珍しくない」というのは、警察に闇金相談する際の明らかなデメリットです。

ただし、心身に恐怖を感じるくらいの緊急時に頼ることができるのはやはり警察です。

夜中にひとりで過ごしているアパートのすぐ窓のむこうに、闇金の取り立てが来ていて怖い・・・といったときには迷わず110番をしてください。

弁護士・司法書士に相談するメリット・デメリット

弁護士・司法書士に借金対策を依頼するメリットは、必ず対処してもらえることです。

弁護士・司法書士に借金問題を相談して契約を結ぶと、「受任通知」が送られることになります。

受任通知を受け取った債権者は、それ以降債務者に直接取り立てをすることができなくなります。

闇金もこのことがわかっているので、弁護士・司法書士に委任したことがわかった時点で、「もうこれ以降、この債務者からはお金を取ることはできないだろう」と判断して嫌がらせを諦める業者も数多く存在します。

それでもしつこく取り立てを行う闇金に対して、弁護士・司法書士は刑事告訴も視野に入れて何度でも戦います。

個人で警察に訴えても対応してもらえないようなケースでも、弁護士・司法書士からの刑事告訴であれば訴追してもらえる可能性も上がるでしょう。

弁護士・司法書士に闇金対策を依頼することに大きなデメリットはありませんが、あえて言うなら費用がかかることでしょう。しかしこれは専門家に闇金対策を依頼する上で当たり前と言えることです。

闇金対応の費用は「4万円~6万円」が相場になります。

なお、専門家と契約を結ぶ前の相談は何度でも無料で受け付けてもらえて、費用は分割払いにも対応していることも多いので、まとまった金額を事前に用意できなくても相談は可能です。

契約前の相談は無料で、数万円の費用で確実に対応してもらえると考えると、弁護士・司法書士にお任せするメリットはかなり大きいでしょう。

 

「ヤミ金融対策法」って何?

「ヤミ金融対策法」は貸金業規制法及び出資法の一部改正法のことで、成立したのは平成15年7月25日で、取り立て行為の規制を強化したり、法外な金利で貸付を行なった場合に対する厳罰を大幅に引き上げたりといった具体的な対策を盛り込んだ内容になりました。

このヤミ金融対策法が成立したことによって、警察も闇金対応が行いやすくなりましたし、被害にあっている人が警察に通報を行なったことから摘発となった事例もあります。

闇金が逮捕された事例

違法な金利で逮捕されたソフト闇金(長崎県)

法外な高金利で貸付を行なっていたとして、長崎県警は2020年8月28日午前に福岡市内の男4人を出資法違反の疑いで逮捕しました。

男たちはソフト闇金を営んでいて、全国の約2万人の利用者に対して約9億円を貸し付けて5億円もの違法な金利を得ていたと思われます。

容疑者たちは「ソフト闇金メビウス」を運営していて、警察はそちらから銀行口座などを割り出したそうです。

<参考>:Yahoo!ニュース:「ソフトヤミ金」グループ4人逮捕 長崎県警 サイバー捜査初摘発

この事件は、2017年2月に諫早署のサイバーパトロールがソフト闇金メビウスのサイトを発見したことから銀行口座が割り出されています。

少なくともサイトの発見から逮捕までに3年以上かかっていることになります。

闇金営業の疑いで暴力団最高幹部が逮捕(静岡県)

2020年7月、組織的恐喝の疑いによって暴力団最高幹部が逮捕された事件で、警察は幹部たちが闇金営業を行なった疑いが強いとして総長と幹部の男を再逮捕しました。

容疑は貸金業法違反などの疑いで、顧客数は200人を超えていて違法に貸し付けた金額は約1億円にものぼり、静岡県内最大規模の闇金事件とみています。

<参考>:DoGAS:闇金営業したか 東一家総長ら再逮捕

※DoGAS(ドガス)は静岡放送と静岡新聞SBSが運営する動画配信サービスです。

給料ファクタリングと称して闇金業の疑い(東京都)

将来の給料を債権として買い取る「給料ファクタリング」と称して闇金業を営んだ疑いで、東京の業者と実質経営者と見られる男が逮捕されました。

男は2020年3月~6月にかけて20代~40代の男性4人に対して、東京都などの登録をしていない状態で貸付を行なった疑いが持たれています。

<参考>:Yahoo!ニュース:『給料ファクタリング』と称して“ヤミ金業”の疑い…実質経営者とみられる男を逮捕

まとめ:警察への闇金相談も効果あり

「闇金問題を警察に通報しても意味がない」と言われることもあり、実際に直接的な解決にはつながらないこともあります。

ただ、通報は無料でできますし警察が動くきっかけづくりにもなり、実際に動き出した場合の効果は高いです。

「お金がないから闇金からついお金を借りてしまった」という時でも、警察なら無料で相談ができます。

自分自身が闇金と縁を切ることを最優先したいなら、弁護士・司法書士に依頼すればその日のうちに対応をしてもらえることもありますし、その後の警察への告発などもお願いできるというメリットもあります。

闇金が引き続き脅してくることもあるかもしれませんが、その場合も弁護士・司法書士に相談すれば然るべき対策を取ってもらえますし、連携して警察に訴えかけることもできます。

闇金問題は自分だけで解決することは難しく、放っておくと家族や周囲を巻き込む危険性もあります。

警察や弁護士・司法書士に相談をして、1日でも早い対応を行うことは生活再建の足がかりにもなります。

闇金からお金を借りている引け目を感じることもあるかもしれませんが、ぜひ積極的に警察や専門家に相談することをおすすめします。


 

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