奨学金が返済できない時は?債務整理よりも救済制度がオススメ

独立法人 日本学生支援機構によると、大学生全体の約37%が奨学金を利用しているそうです(平成30年)。

しかし、就職してから返済するつもりだったけど思ったような仕事に就けなかったとか、想定していたよりも給料が良くなかったなどの様々な理由で、奨学金の返済ができず滞納している人も増えています。

中には奨学金の返済が苦しいために、銀行カードローンや消費者金融を利用している学生もいるようです。

奨学金返済の大変さは、社会人になって実際に返済を開始してから初めてわかるのかもしれません。

奨学金の返済がどうしても難しくなってしまったら債務整理を行うべきなのか、それとも他の解決方法があるのでしょうか?

奨学金の返済が苦しくなってきている場合は、カードローンなどでお金を借りる前にぜひ本記事を参考になさってみてください。


もくじ

奨学金は踏み倒せるって聞いたことがあるけど?

最初にお伝えしておくと、奨学金の返済を踏み倒すことはできません

以前は巷の噂で、「奨学金は踏み倒しても大丈夫」とか、「奨学金の返済をバックレたことがある」などと言われることもありました(実際に踏み倒しができたのかどうかは定かではありませんが・・・)。

しかし、奨学金の返済を舐めていてはいけません。

なぜなら日本学生支援機構では、原則として延滞が3ヶ月になった時点で、その情報を信用情報機関に提供することを発表しているからです。

<参考>:個人信用情報機関への個人情報の登録について-日本学生支援機構-

これは簡単に言うと、「原則3ヶ月以上滞納したらブラックリストに載る」ということになります。

延滞でブラックリスト入りしてしまうと、その記録は最長5年間消えることはありません。

滞納分を含めて奨学金を完済したとしても、延滞の解消から5年間はブラックリストに載っている状態なので、この期間はクレジットカードを作ることができないなどの不便が生じることになります。

奨学金を返済しないとどうなるの?延滞発生からの流れ

奨学金の返済は3ヶ月以上滞納するとブラックリスト入りするのですが、そこまでの流れは以下のようになっています。

奨学金の滞納1ヶ月目(1回目の延滞)

奨学金の返済が遅れると、まずは電話で催促されることになり、その後は電話と郵便物で催促されることになりますが、この時点ではまだ大きな問題ではなく次月分と一緒に返済をすれば大丈夫で、延滞金も発生しません。

奨学金の返済日は原則毎月27日なので、例えば5月27日の口座振替で10,000円を滞納したした場合、6月27日に2ヶ月分の20,000円が口座振替で引き落とされることになりますので、前日までに入金しておきましょう。

▼滞納1ヶ月目 滞納時の督促の流れ
翌月7日以降:電話で督促があります
10日以降:「奨学金返還の振替不能通知」が本人宛に届きます
17日以降:「個人信用情報機関への登録について(通知)」が本人宛に届きます
27日:滞納分と当月分をまとめた2か月分の合計額の引き落としがかかります

奨学金の滞納2ヶ月目(2回目の延滞)

先月分と今月分の2ヶ月分を滞納すると、延滞金が発生することになり、延滞金の金利は、例えば第二種奨学金(利息付き)で口座振替で支払いをしている場合は3%になります(※令和2年3月28日以降の場合)。

3%という金利は延滞の金利としては、高い金利ではありません。

例えば消費者金融の場合は、延滞すると20%の金利で延滞金が発生することも全く珍しくないのです。

しかし、奨学金は借入額が数百万円と金額が大きいため、1度延滞金が発生すると返済が困難になってしまいます。

仮に奨学金の債務が残り500万円で、3%の延滞金が60日分発生する場合、

500万円 × 3% × 60日 ÷ 365日 = 24,657円

延滞金だけで24,657円も支払いが必要になってしまいます。

例)支払額は毎月10,000円で、5月・6月分を滞納した場合
7月27日に、5月・6月・7月の3ヶ月分+延滞金の口座引き落としがかかります。

引き落とし金額の詳細は、「振替不能のお知らせ」に記載がありますので、不足がないように入金しておきましょう。

▼滞納時の督促の流れ
翌月7日以降:電話で督促があります
10日以降:「奨学金返還の振替不能通知」が本人宛に届きます
11日以降:「奨学金の返還について」が連帯保証人に届きます
17日以降:「個人信用情報機関への登録について(通知)」が本人宛に届きます
27日:滞納分と当月分をまとめた3か月分の合計額と延滞金の引き落としがかかります

奨学金を2ヶ月(2回分)滞納してしまうと、連帯保証人にも通知が行われるので、返済が遅れていることが親にもバレてしまうことになります。

奨学金を2回滞納して3回目の引き落としでも払えなかった場合

奨学金を3ヶ月続けて滞納してしまった場合は、信用情報機関に情報提供が行われることになるので、ブラックリストに載ってしまいます。

ただし、いきなり一括払いを求められるなどの強制措置を取られることはなく、この時点でも当月分+延滞分+延滞金を返済できれば今後も分割返済を続けていくことができます。

▼滞納時の督促の流れ
翌月7日以降:電話で督促があります
10日以降:「奨学金返還の振替不能通知」が本人宛に届きます
11日以降:「奨学金の返還について」が連帯保証人・保証人に届きます
17日以降:「個人信用情報機関への登録について(通知)」が本人宛に届きます
27日:滞納分と当月分をまとめた4か月分の合計額と延滞金の引き落としがかかります

4ヶ月以上奨学金の延滞が続くとどうなるの?

奨学金の滞納が3ヶ月続くと、信用情報機関にブラックリスト登録が行われることになるのですが、その後も返済が遅れると(4ヶ月以上)、日本学生支援機構の保証会社となっている「日本国際教育支援協会」に代位弁済の要求が行われることになります。

代位弁済は、債務者の代わりに保証会社が全額を支払うことを言いますが、もちろんこれで奨学金を借りた本人の返済が終わるわけではありません。

代位弁済が行われると、債権が日本学生支援機構から日本国際教育支援協会に移り、今後は日本国際教育支援協会から一括返済を求められることになります。

それでも奨学金の返済を行わない場合は、給料や財産の差し押さえとなることもあります。

▼長期滞納者に行われる措置

代位弁済請求 日本学生支援機構の保証機関である(公財)日本国際教育支援協会に対して、返済未済額の全額と利息および延滞金の請求が行われます。
一括返還請求 返済期限が到来していない分を含めた返済未済額の全額と利息、および延滞金の一括返済を求められます。
保証機関からの請求・督促 代位弁済が実行された場合、(公財)日本国際教育支援協会から代位弁済額の一括請求が行われます。
強制執行 返済に応じない場合は(公財)日本国際教育支援協会が強制執行にいたるまでの法的措置を行い、給与や財産の差し押さえが行われます。

 

このように、奨学金の返済も延滞すれば最終的には差し押さえなどの強制執行が行われることが実際にあるのです。

奨学金も債務整理することが可能

奨学金も借金のひとつなので、どうしても返済に行き詰まった時には債務整理の対象とすることは可能です。

債務整理には「任意整理」「特定調停」「個人再生」「自己破産」4つの方法があり、それぞれ減額・免責となる金額などが決まっています。

「任意整理」とは?

任意整理は裁判を介さずに債権者と直接交渉をして和解し、借金の減額や返済額の調整を行う手続きで、減額される幅は利息分と延滞金となるのが一般的で、元金そのものを減らすことはできません。

裁判所を通さない手続きなので、4つの債務整理の中では最も簡便というメリットがあります。

「特定調停」とは?

特定調停は任意整理と似た手続きなのですが、大きな違いは裁判所が間に入ることです。

特定調停は、弁護士・司法書士などの専門家には依頼せずに、債務者本人が裁判所に申立を行うことになり、利息のカットや返済条件の緩和などに債権者が応じるように、裁判所が働きかけて仲裁を行なってくれます。

専門家に依頼する必要がないため、特定調停の費用が最も安く、債権社1社あたり1,000円程度で手続きを行うことができます。

ただし、特定調停も減額される金額は任意整理と同じく利息分や延滞金程度なので、元金の減額は望めません。

「個人再生」とは?

個人再生は、裁判所を通して借金の額を大幅に減額する手続きで、減額できる幅は決まっているのですが、大体5分の1程度に減らすことができます。(最大10分の1まで減ります)
減額された金額は3年~5年かけて返済していくことになります。

減額の幅は非常に大きいのですが、ローンが残っている車や財産は処分の対象になります。

「自己破産」とは?

自己破産は借金の返済を全額免責とする手続きで、裁判所によって自己破産が認められれば、奨学金の返済が文字通り0円になるわけです。

自己破産を行うと20万円以上の財産は没収されることになり、持ち家も手放すことになります。

なおこの強制執行を受けるのは自己破産を行う本人のみなので、家の名義人が親であるなど債務者本人以外なら影響はありません。

奨学金の債務整理はおすすめできない

債務整理を行えば奨学金の返済負担を軽くしたり、場合によっては返済を全額免除とすることは可能です。

しかし、実際のところは奨学金の債務整理を行うのはやめたほうが良いんです。

奨学金の債務整理は、「理論的にはできなくはないものの、おすすめはできない」ということになりますが、その理由はなぜなのでしょうか?

連帯保証人・保証人の返済義務はなくならない

この連帯保証人・保証人の問題が最も大きな理由になります。

奨学金を借りる際には、借主は学生本人で、父親か母親のどちらかに連帯保証人になってもらっているケースが多いのではないでしょうか。

連帯保証人は借主本人が返済不能となった場合に、代わりに返済を行う義務があります。

奨学金の債務整理を行うと、借主本人は返済負担が軽くなったり、自己破産をすれば返済が全額免除にはなりますが、今後は連帯保証人である親に請求がかかることになり、しかも債務整理後の返済は一括返済を求められるのが一般的です。

例えば、500万円の奨学金の債務整理を「個人再生」で行なったとします。

個人再生では通常元金が5分の1まで減額されて、残った金額を3年~5年かけて返済していくことになります。

奨学金を借りた本人の今後の返済負担は100万円になりますが、減額された分の400万円は連帯保証人である親が一括返済を求められることになるんです。

他の債務整理でも同じで、たとえ自己破産をして借主本人の返済負担は0円になったとしても、連帯保証人は全額を返済する義務があります。

家族を連帯保証人にしている以上、「奨学金の債務整理を行なっても家族間での返済負担は変わらない」というのが、奨学金の債務整理をおすすめしない最も大きな理由になります。

減額される幅が少ない・返済負担が大きく変わらない

任意整理・特定調停では、元金の減額は望めません。

減額できる部分は、延滞金、滞納している利息、これから支払うことになる将来利息の部分になります。

毎月の返済額を「負担が軽くなった!」と感じられるまで減額することは難しいでしょう。

また、債務整理後の返済は3年~5年かけて行うことになります。奨学金は金利がそう高くはなく、返済期間もかなり長く設定されています。

本来であればあと10年かけて完済すれば良いはずなのに、任意整理・特定調停を行うことで3年~5年間で返済していくことになるので、返って返済期間が短くなってしまいます。

そのため、任意整理と特定調停は、そもそも奨学金の債務整理には向いていないどころか、返済負担を高めてしまうことにもなりかねません。

また、日本学生支援機構は延滞金の免除などの交渉に応じてくれないことでもかなり有名です。

奨学金の債務整理をすると親にバレます

延滞が2ヶ月を超えると「奨学金の返還について」という書面が連帯保証人に届くので、支払いが遅れていることが親にもバレてしまうのですが、逆にこの書面を自分で受け取るなど見つからないようにすれば親バレを防げることになります。

ただし、債務整理を行うと必ず連帯保証人である親にバレることになります。

これは、親・家族だからバレるのではなく、親が連帯保証人だからバレるということになります。

前の項目でご紹介した通り、借主が債務整理を行うと連帯保証人は返済を要求されることになりますので、親が連帯保証人になっている場合は、親バレを防ぐことはできません。

奨学金を債務整理するメリットは?

奨学金の債務整理をおすすめしない理由をご紹介してきましたが、奨学金の債務整理には一応メリットもあるんです。

それは、単純に借金が減ることです。

債務整理は借金問題を法的に解決するための手続きなので、当然借金の額は少なくなります。

これは奨学金をはじめとする借金の債務整理を行う最も大きなメリットになります。

ただし、奨学金を債務整理することのメリットは、この「借金が減る」ということくらいになり、デメリットやリスクの方が大きくなります。

奨学金を債務整理するデメリットは?

奨学金の債務整理をおすすめしないのは、メリットよりもデメリットの方が大きいからと言い換えることができます。

借金が大幅に減らないこともある

任意整理・特定調停では、利息と延滞金のカットが主な減額になるので、元金が減ることは基本的にありません。

奨学金の金利はそもそも低いので、利息をカットしても返済額が大きく減ることはなく、返済負担もそこまで軽くなるわけではありません。

また、任意整理・特定調停をすることで返済期間は3年~5年になるので、これまでよりもかなり短くなってしまいます。

これでは債務整理をする意味がないどころか、むしろマイナスということになるでしょう。

ブラックリスト入りする

債務整理をすると信用情報機関に事故情報という記録が残ることになります。

任意整理・特定調停は5年、個人再生・自己破産は5年~10年の間、登録されることになるんです。

実際はブラックリストというデータベースが存在するわけではないのですが、信用情報機関に事故情報が載ることを便宜上ブラックリストと呼んでいます。

ブラックリストに登録されている間は、
・クレジットカードが作れない
・カードローンなどでお金を借りられない
・マイカーローン、住宅ローンが組めない
・子供の奨学金の保証人になれない

などのペナルティがかせられることになります。

保証人に迷惑がかかる

連帯保証人・保証人が付いている借金を債務整理すると、債務者本人の借金は減額されても、その残金は連帯保証人・保証人が返済を求められることになります。

子供が奨学金を利用していて親が連帯保証人の場合、子供が債務整理をすると親が残金の返済を求められます。

例えば子供が自己破産を認められた場合は、親は全額返済を求められることになるわけです。

しかも債務整理後の返済は一括返済となるのが一般的ですが、親も返済できなかった場合は、今度は親自身が債務整理を行なうことになるでしょう。

親に返済能力があれば、そもそも債務整理をせずに返済を負担してもらった方が良いでしょう。

奨学金の返済が必要だと知らない人もいる

奨学金には「給付型」と「貸与型」がありますが、自分が利用している奨学金が返済が必要な貸与型だと知らないという人もいます。

例えば、毎月10万円を金利1.0%で借りて、約16,000円ずつ返済する場合、返済年数は約16年になります。

奨学金の返済は15年~20年かけて行うケースも珍しくはないのです。

10代で奨学金を借りる場合、この「15年~20年かけて返済する」というイメージがなかなかわきにくいというのも仕方がないことだと思います。

働いたことがないうちから借金を背負うわけですから、判断を間違ってしまったり、社会人になっても思ったように返済が進まないこともあるでしょう。

しかし、自分が借主になる以上は借りる前から借金を背負うということを自覚して、奨学金の返済イメージを掴んでおかなければいけないのです。

借入手続に関わっていない人は借金の自覚が薄い

日本学生支援機構によると、奨学金の延滞をしていない人のうち65.6%は奨学金申請手続きを自分で行っています。

一方、延滞している人のうち自分で申請をしたのは36.7%なのだそうです。

また、返済義務があることを知った時期は、無延滞者の90.1%が「申込手続きを行う前」と回答したのに対し、延滞者は半数の51.1%しか申込手続きを行う前に返済義務があることを理解していませんでした。

奨学金も借金のひとつです。「返済が必要だとは知らなかった」では済まされません。

でも、どうしても返済ができなくなってしまった場合はどうすれば良いのでしょうか?

奨学金の返済が苦しい時にはどうすればいいの?

日本学生支援機構では、返済がどうしても難しい時に利用できる独自の救済制度を用意しており、それが「減額返還制度」と「返還期限猶予制度」の2つです。

日本学生支援機構の「減額返還制度」

「減額返還制度」は、約束したとおりに返済することは難しいけど、減額すれば返済を続けられるという場合に利用できる制度です。

病気、怪我、災害、経済的な理由、失業などにより、奨学金の返済が難しくなってしまった場合に、毎月の返済額を一定期間減額することができます。

あくまでも返済額を減額してもらえる制度なので、返済総額が減るわけではありません。減額した分だけ返済期間が長くなってしまう点にご注意ください。

減額期間は?減額できる金額は?

1回の申請につき1年間減額でき、合計で最長15年間減額することが可能、毎月の返済額を3分の1から2分の1まで減らすことができます。

必要書類は?

返済が厳しい事情がわかる書類を提出します。例えば怪我や病気で働けなくなっている場合は、病院から発行してもらった診断書などが必要です。

「減額返還制度」を利用しても利息が増えることはない

これはとても重要なところですが、減額返還制度は、あくまでも目の前に迫っている支払いを減額してもらえる制度なので、返済総額が減るわけではありません。

例えば、あと1年で完済するという状況で1年間減額返還制度を利用して、返済額を2分の1まで減らしてもらった場合、完済まで2年かかるということになります。

ただ、返済期間は長くなるものの、利息が増えることがありません。

これは非常に大きなメリットで、普通、利息は日割りで増えていくものなので、借り入れ期間が長くなるほど利息も増えるものです。

減額返還制度なら毎月の返済額を減らして借入期間が長くなっても利息が増えることがないので、利用者にとってはメリットしかない救済措置となります。

日本学生支援機構の「返還期限猶予制度」

「返還期限猶予制度」は、病気、怪我、災害、経済的な理由、失業などにより返済が困難な状況になった場合に一時的に返済を猶予してもらう制度で、申請が認められれば、返済をストップすることができ、しかも、この間は利息も発生しません。

猶予期間は?

1回の申請ごとに1年間猶予することができ、合計で、最長10年間の返済猶予が認められます。

必要書類は?

返済ができない事情がわかる書類を提出します。例えば失業した場合は、雇用保険の受給資格証明書などが必要になります。

奨学金の返済が苦しい時の救済措置は認知度が低い

日本学生支援機構では上記2種類の救済措置を用意しているのですが、この制度の認知度はあまり高くありません。

すでに延滞している人は78.0%がこの制度があることを知っていると回答しているのですが、このうちの53.9%は奨学金を延滞しだして延滞督促を受けてから知ったと回答しているんです。

延滞者のうち奨学金の返済が実際に始まる前に返済猶予制度があることを認知していたと回答したのはわずか4.8%にとどまりました。

厳しいようですが、奨学金の返済について勉強不足のまま利用していたことがよくわかる数値と言えるのではないでしょうか。

慢性的に奨学金返済が苦しくなってきたら救済制度を利用しよう!

奨学金の延滞が始まったきっかけとして最も多い理由は「家計の収入が減った」となっています。

返済できる予定だったのに収入が減ってしまったために払えなくなったというケースですね。

次いで多いのは「家計の支出が増えた」というパターンです。

理由は不明ですが、奨学金利用者が結婚して子供ができたとか、家を購入したなどで大幅に出費が増えるケースは容易に考えられます。

3位は「入院、事故、災害等にあったため」ですが、これらは誰の身に起こっても仕方がないケースですね。

また、奨学金の延滞が継続してしまっている理由として最も多いのは「本人の低所得」で、次が「奨学金の延滞額の増加」、3位が「本人の借入金の返済」となっています。

1ヶ月分など一時的に返済が遅れる程度でしたら、日本学生支援機構が用意している返済猶予や債務整理までは検討しなくても良いのですが、慢性的に返済が苦しくなっているならどうにか毎月安定して返済できる方法を考えるべきです。

減額返還制度・返還期限猶予制度は奨学金の返済軽減に最適

日本学生支援機構の減額返還制度・返還期限猶予制度は、奨学金の返済負担を軽減するのに最適な方法です。

毎月の返済額を減額または一定期間0円にすることができるのに、利息が全く増えないというのはデメリットがない債務軽減方法です。

消費者金融や銀行カードローンなどの一般の借り入れなら、絶対に考えられないと言って良いほど利用者優先の救済措置なので、返済が苦しくなってきたら迷わず利用してみてください。

奨学金以外の借金の債務整理を考えるのも有効

借りているお金が奨学金だけでなく、カードローンやクレジットカードキャッシング枠など複数件あり金額も多い場合は、そちらの債務整理を行うことを検討しましょう。

この場合のおすすめの債務整理方法は「任意整理」一択になります。

債務整理の任意整理と特定調停は債権者を選んで債務整理を行うことができますが、個人再生と自己破産は全ての債権者を対象に債務整理が行われることになります。

当然、奨学金も債務整理の対象になるので、個人再生・自己破産では連帯保証人に迷惑をかけることになってしまいます。

また、特定調停は自分で専門家に依頼しない債務整理方法なので、全ての手続きを自分で行う必要があります。

不明点は最寄りの裁判所に問い合わせると教えてもらえるのですが、時間もかかりますし連隊保証人が付いている奨学金を外して債務整理を行いたいなど、不安が大きいケースではひとりで頑張るよりも専門家に依頼をした方が安心できるのではないでしょう以下?

奨学金を任意整理の対象から外すと返済負担は今まで通りになる

奨学金以外の借金を債務整理したいなら、任意整理を行なって奨学金は対象から外すようにしましょう。

しかしこの場合、当たり前ですが奨学金の返済は今まで通り行わなければいけません。

他の借金を整理することで全体の返済負担は軽減されますが、それでも日本学生支援機構のセーフティネットは利用すべきでしょう。

なぜなら、奨学金の返済が減額または一時的に免除になるというとても大きなメリットがありながら、利息が増えることはないからです。

日本学生支援機構の2つの救済措置と任意整理は全く別の手続きなので、併用することが可能です。

奨学金以外の借金も抱えている場合は、「任意整理を行なって他の借金を整理しつつ、奨学金の救済制度も利用する」というのがより良い借金問題の解決方法と言えるでしょう。

【まとめ】任意整理は弁護士・司法書士に依頼するのが一般的

最後に奨学金の債務整理や返済負担軽減についてまとめます。

奨学金の債務整理は連帯保証人に迷惑をかけることになる

まず、奨学金の返済が苦しくても、奨学金そのものを債務整理するのはおすすめできません。

なぜなら、連帯保証人となっている親に支払い義務が発生するからです。(しかも一括払いを要求される可能性が高い)

奨学金の借主である自分は債務整理に成功したとしても、親が返済できなれば親まで債務整理をしないといけないという事態に陥ってしまいます。

こういった、家族で債務整理をせざるを得ない例というのも珍しくはないのです。

奨学金の返済負担軽減は「減額返還制度・返還期限猶予制度」を利用しよう

奨学金の返済負担を軽減したい場合は、奨学金は日本学生支援機構が用意している減額返還制度・返還期限猶予制度を利用すると良いでしょう。

奨学金の返済が苦しくなった利用者の救済に特化したデメリットのない制度なので、まずはこちらの検討をおすすめします。

奨学金の返済負担軽減は弁護士・司法書士に早めに相談を

奨学金以外の借り入れがない場合は減額返還制度・返還期限猶予制度のみの利用で大丈夫です。

この場合は、自分で日本学生支援機構に申請をするだけで大丈夫です。

<参考>:返還が難しいとき -日本学生支援機構-

しかし、他の借金の債務整理も行う場合は、「減額返還制度・返還期限猶予制度」の申請にも注意が必要なところもあります。

減額返還制度・返還期限猶予制度の申請を行う際には、任意整理を行うことや他にも借金を抱えているということを日本学生支援機構には伏せておいたほうが良いケースもあるんです。

なぜなら「他にも借金があるから減額返還制度を利用したい」と申請してしまうと、日本学生支援機構側は「他の借金返済を優先して奨学金返済は後回しなのか?」と判断することも考えられるから。

審査に落ちる原因になってしまうこともあります。

任意整理は通常、弁護士・司法書士に依頼して手続きを行うのが一般的です。

専門家は状況によってどういった債務整理が向いているのかを判断してくれるので、「減額返還制度・返還期限猶予制度」の申請も検討していることも含めて、なるべく早めに相談することをおすすめします。

借金問題は放置しておいても解決しません。それどころか利息が膨らんでしまい、任意整理では解決できないところまで進んでしまうことにもなりかねません。

こんなことになる前に、減額返還制度・返還期限猶予制度の利用と専門家への相談を検討してみてください。

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