債務整理の情報はいつ消える?指定信用情報機関の開示方法は?

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「債務整理をするとブラックリストに載る」という話を聞いたことがある人は多いと思いますが、ブラックリストってそもそも何なのでしょうか?1度載ってしまうと、一生記録が消えないのでしょうか?

指定信用情報機関(JICC・CIC・全銀協)に登録されているブラック情報の開示方法なども解説します。


もくじ

債務整理をするとブラックリストに載るって本当?

「債務整理をするとブラックリストに載る」という呪文のような言葉は、日本全国で聞いたことがあるのではないでしょうか。

しかし、正確にはブラックリストという一覧は存在しません

ブラックリストに載るということは、「返済の長期延滞や債務整理を行なったことなどが事故情報として信用情報機関に登録されること」を意味しています。

ちなみに長期延長は「3ヶ月以上の延滞」となるのが一般的です。

信用情報機関は3社ある

▼信用情報機関と主な加盟業種

信用情報機関名 主な加盟業種
株式会社シー・アイ・シー(CIC) 消費者金融・信販系会社・クレジットカード会社など
株式会社日本信用情報機構(JICC) 消費者金融・信販会社など
全国銀行個人信用情報センター(KSC) 銀行・信用金庫など

 

信用情報機関は日本に3社あり、それぞれに貸金業社、信販会社、銀行、信用金庫などが加盟しています。

例えば、アコム、プロミス、レイクALSAはCICとJICCの2社、アイフルは3社全てに加盟しています。

信用情報機関で記録している内容は?

信用情報機関は、各社それぞれの基準で個人の信用情報を登録しています。ここでは延滞と債務整理に関する記録の登録期間を確認しておきましょう。

株式会社シー・アイ・シー(CIC)

延滞・延滞の解消 契約期間中および契約終了後から5年
債務整理 契約期間中および契約終了後から5年

 
CICでは、延滞も債務整理も「5年間」記録が残ると考えておきましょう。

株式会社日本信用情報機構(JICC)

延滞 契約期間中はずっと記録が残ります
延滞の解消 ・2019/9/30以前に契約した場合は完済日から5年
・2019/10/1以降に契約した場合は契約終了後から5年
債務整理 ・2019/9/30以前に契約した場合は発生日から5年
・2019/10/1以降に契約した場合は契約終了後から5年

 
JICCも、延滞・債務整理ともに「5年間」記録が残ります。

全国銀行個人信用情報センター(KSC)

延滞・延滞の解消 契約期間中および契約終了後から5年
官報に公告された破産・民事再生開始決定など 破産・再生開始の決定日から10年

※「官報に公告された破産・民事再生開始決定など」は債務整理のケースでは個人再生・自己破産を指します。

KSCは主な加盟業者が銀行や信用金庫になるので、基準が厳しくなります。

延滞は「5年間」で、任意整理・特定調停も「5年間」ですが、個人再生と自己破産は「10年間」登録が続くことになります。

債務整理とブラックリスト

債務整理とブラックリストについて詳しく解説します。

まず債務整理には任意整理・特定調停・個人再生・自己破産の4種類があり、それぞれ登録期間が決まっています。

▼債務整理の登録期間

任意整理 特定調停 個人再生 自己破産
CIC 5年
JICC 5年
KSC 5年 10年

 

いつからブラックリストに登録されるの?

ブラックリストに登録される日は以下のように決まっています。

任意整理 和解が成立した日
※債権者が複数社ある場合は、最後に和解した日になります
特定調停 契約期間中および取引終了後
個人再生 再生手続き開始決定日から
自己破産 免責許可確定日から

 

任意整理は「和解成立の日」から登録される

任意整理は和解が成立した日から5年間登録されるので、和解後の支払いが終わっていなくても和解した日から5年経過すれば登録が消えます。

任意整理はブラックリストからの解放が比較的早いと言えるのですが、返済途中で延滞してしまうと再びブラック入りすることになってしまいます。

特定調停は「契約期間中および取引終了後」から登録される

特定調停も任意整理と同様に、債務整理が終了しても返済が続くので、特定調停を行なった債権者との契約期間中は記録が残りますし、返済が終了してもそこから5年間は債務整理情報が残ることになります。

返済期間が長くなればなるほど登録期間も長くなるということになります。

例)特定調停終了後の返済期間が3年の場合
返済期間の3年と終了後5年で合計8年間ブラックリスト入りする

個人再生は「再生手続き開始決定日」から登録される

個人再生では再生手続き開始決定日(裁判所に個人再生を認められた日)から登録され、CIC・JICCでは5年間、KSCでは10年間登録されることになります。

自己破産は「免責許可確定日」から登録される

自己破産は免責許可確定日から登録が始まり、支払い義務が免除(免責)となった日からCIC・JICCでは5年間、KSCでは10年間ブラックリスト入りすることになります。

債務整理の情報はいつ消えるの?

債務整理の情報がいつ消えるのかをまとめるとこうなります。

▼債務整理情報が消える日の目安

任意整理 特定調停 個人再生 自己破産
CIC 和解成立の日から5年後 契約期間中および取引終了から5年後 再生手続き開始決定日から5年後 免責許可確定日から5年後
JICC
KSC 再生手続き開始決定日から10年後 免責許可確定日から10年後

 

実際には延滞・債務整理の登録内容は信用情報機関ごとに異なり、JICCでは債務整理とわかる形で登録されますが、CIC・KSCでは、債務整理を行なったことが直接わかる形で記載されるわけではありません。

またCICのよくある質問では

「裁判所へ特定調停や民事再生を申請した場合、および弁護士・司法書士に債務整理を依頼した場合、自分の信用情報にその事実がコメントとして登録されますか?」

という問いに対して、

「特定調停や民事再生の申請および債務整理を依頼した事実に関するコメントは登録されません。」

という回答もあります。

CIC よくある質問 「1.情報の登録(信用情報)」より引用

そのため「CICでは個人再生や任意整理の情報は残らない」と言われることもあるのですが、債務整理を行うことで代位弁済が行われた場合は「異動」と登録されることになります。

異動情報もブラックリストのひとつで5年間記録が残ります。

債務整理情報は信用情報機関で共有される

後ほど解説しますが信用情報機関3社は「CRIN」というネットワークで情報共有しているので、1社にだけでも債務整理情報があれば、他の信用情報機関に記録されていなくても発覚します。

例えばJICCではブラックリスト入りしてるから、CICにしか加盟していない業者でカードローンの申し込みをしたとしてもCRINによってブラック状態がわかってしまいます。

また、債務整理の登録期間は1度の債務整理に関することの期間になります。

債務整理が終了しても返済が続く任意整理・特定調停・個人再生では、返済が遅れてしまうと再度ブラックリストに載ってしまうことになりますので十分注意してください。

債務整理のブラックリストを確認する方法【開示請求】

自分の信用情報は開示請求をすることで取り寄せることができますが、いずれも、各信用情報機関が指定する方法(郵送・インターネットなど)で開示請求を行なって手数料を支払うだけなので、難しい手続きではありません。

過去に債務整理を行なったことがある人や延滞した記録が気になる場合などは、自分の信用情報機関を開示して確認してみましょう。

株式会社シー・アイ・シー(CIC)の開示請求方法

CICは3社ある信用情報機関の中で、唯一ウェブ上で自分の信用情報を確認できるインターネット開示を行なっており、スマホ・パソコンから申し込みが可能です。

CICのインターネット開示手続き

▼受付時間
毎日8:00~21:45
24時間対応ではありませんのでご注意ください。

▼手数料
1,000円

▼支払い方法
クレジットカード一括払いのみ

CICにスマホで開示請求する方法

ステップ1:利用環境の確認

インターネット利用環境を確認します。
こちらのページの「1インターネット利用環境」から、お使いのスマホが対応しているかどうかを確認します。

ステップ2:「スマートフォンでの開示手順」を行う

こちらのページからスマートフォンでの開示手順を進めます。

利用規約を確認したら「受付番号の取得」を行います。

クレジットカード会社などに登録をしている電話から「0570-121-717」に電話をかけると受付番号を取得できます。

この時に有効期限内のクレジットカードが必要になりますので、手元に用意しておきましょう。

ステップ3:お客様情報の入力~信用情報の開示

「ご利用前の最終確認」ボタンから次に進み、必要事項を入力して手続きを進めます。

この時もクレジットカード番号などが必要になります。画面の案内通りに進めていくと、最後に信用情報がスマホ画面に表示されます。

CICにパソコンで開示請求する方法

<参考>:インターネット開示(パソコンで開示)

ステップ1:インターネット利用環境を確認します
▼対象OS、ブラウザ
OS:Windows 8、Windows 8.1、Windows 10
ブラウザ:Internet Explorer11、Microsoft Edge
※PDFが閲覧できること

Mac OSやブラウザのGoogle Chromeは非対応ですのでご注意ください。

ステップ2:受付番号を取得し入力する

クレジットカード会社に届けている電話番号で「0570-121-717」に電話をかけて受付番号を取得し(クレジットカードが必要です)、必要事項を記入して、受付番号を入力します。

ステップ3:開示報告書(信用情報)が表示されます

表示された信用情報機関はパソコンに保存したり、印刷することも可能です。

郵送でもCICの開示手続きができます

CICの開示手続きを郵送で行う場合は、「信用情報開示申込書」「本人確認書類」「1,000円分の定額小為替証書」をCICに郵送します。

●信用情報開示申込書
こちらから作成・印刷が可能です。
フォーマットを印刷して手書きで記入したい場合は、こちらから印刷をしてください。

どうしても印刷が難しい場合は、電話で取り寄せることもできますので、「0570-666-414」に平日10:00~16:00の間に電話をかけて、取り寄せを行なってください。

●本人確認書類
以下のいずれか2点
・運転免許証または運転経歴証明書(表面・裏面コピー)
・マイナンバーカード、個人番号カード(写真付表面のみコピー)
※通知カードは不可
・パスポート
・各種健康保険証
・写真付住民基本台帳カード
・各種年金手帳
・各種障がい者手帳
・在留カードまたは特別永住者証明書
・住民票
※本籍地・個人番号の記載は不要。発行日から3ヶ月以内の原本
・戸籍謄本または戸籍抄本
※発行日から3ヶ月以内の原本
・印鑑登録証明書
※発行日から3ヶ月以内の原本
●1,000円分の定額小為替証書
郵便局(ゆうちょ銀行)でご購入ください。
●送付先
〒160-8375
東京都新宿区西新宿1-23-7 新宿ファーストウエスト15階
(株)シー・アイ・シー 郵送開示センター 宛

※CICの信用情報の開示ができたけど、見方がわからない場合はこちらを確認してみてください。

株式会社日本信用情報機構(JICC)の開示請求方法

JICCではスマホと郵送、窓口で開示請求を受け付けています。

※2020年6月現在、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮して現在は窓口での開示請求は休止しています。

JICCの開示請求の手数料はいくら?

1氏名につき1,000円(税込)

本人が自分の信用情報を開示する場合は1,000円のみとなります。

JICCのスマホによる開示手続きの流れ

スマホをお持ちの方はこちらの開示方法が簡単です。

1. 専用アプリ「スマートフォン開示受付サービス」をダウンロードします。

2. 専用アプリからメールアドレスを送信して、JICCから送られるパスワードを入力します。
パスワードを入力すると必要事項の入力案内がありますので、案内に従って入力してください。

3. 申込内容を入力します
氏名、生年月日、住所、電話番号などを入力します。

4. 本人確認書類の撮影と送信
スマホカメラで運転免許証などの本人確認書類を撮影して送信します。

5. 手数料の支払い方法を選択
コンビニ払い、クレジットカード払い、ATM払いなどを選べます。

6. 申込内容の確認・開示結果の郵送
決定手続きが完了したらJICCが申込内容を確認します。
登録した住所に簡易書留・転送不要で郵送されてきます。

JICCの郵送による開示手続きの流れ

スマホがない場合は、郵送でJICCの開示手続きを行うことになります。

1.信用情報開示申込書を用意します
信用情報開示申込書を公式サイトから作成して、最後に印刷をします。

2.手数料を準備します
1氏名ごとに1,000分の定額小為替証書が必要となります。なお、本人による開示請求の場合は、クレジットカード払いも可能です。
ただ、クレジットカード払いの場合は、お支払いフォームが用意されているわけではなく専用の支払い伝票にカード番号などを手書きで記入して申込書と一緒に郵送する必要があります。ちょっと面倒なので郵便局で定額小為替証書を購入した方が手軽だと思います。

<参考>:JICCクレジットカードでの開示等手数料お支払い票

3.本人確認書類を用意します
▼1点で良い本人確認書類(顔写真あり)

種類 注意事項
運転免許証または運転経歴証明書 裏面に記載がある場合は両面コピー
パスポート 写真掲載のページ及び住所記載のページをコピー
※2020年2⽉4⽇以降に申請した新型の2020年旅券(パスポート)の場合、申込書に記入した現住所が確認できる本⼈確認書類が別途必要となります。
写真付住民基本台帳カード 裏面に記載がある場合は両面コピー
マイナンバーカード(個人番号カード) 表面のみコピー
※通知カードは不可
在留カードまたは特別永住者証明書 裏面に記載がある場合はコピー
各種障がい者手帳 氏名・生年月日・住所欄をコピー

 

▼2点必要な書類(顔写真なし)

種類 注意事項
各種保険証 氏名・生年月日・住所欄をコピー
各種年金手帳 氏名・生年月日・住所欄をコピー
住民票(発行日から3ヵ月以内) 原本またはコピー(本籍地・個人番号の記載は不要)
印鑑登録証明書(発行日から3ヵ月以内) 原本またはコピー

 

4.JICCへ送付します
▼送付先
〒530-0003
大阪府大阪市北区堂島1-5-30
堂島プラザビル6階
株式会社日本信用情報機構 開示窓口宛

JICCから信用情報開示書が届いたけど見方がわからない!という場合はこちらで確認してみてください。

全国銀行個人信用情報センター(KSC)の開示請求方法

KSCの信用情報開示請求方法は郵送受付のみとなりますので、「登録情報開示申込書」「手数料」「本人確認資料(2種類)」の3点をKSCに郵送してください。

全国銀行個人信用情報センターの登録情報開示申込書

パソコンで記入して印刷する方法が最も簡単ですが、フォーマットを印刷して手書きで記入することもできます。

・パソコンで記入する場合はこちら
・手書きで記入する場合はこちら

自宅にプリンターがない場合は、コンビニのマルチコピー機でプリントすることもできます。

>全国銀行個人信用情報センターの手数料

1,000円分の定額小為替証書を購入し、記入欄には何も書かずに>全国銀行個人信用情報センターのへ送ります。

本人確認資料(2種類)

本人確認書類は必ず以下のいずれか2種類が必要です。

運転免許証
※住所等に変更がある場合は裏面も
有効期限内のものを氏名、生年月日、住所がわかるようにコピーすること
運転経歴証明書
※平成24年4月1日以降交付のもの
パスポート(現住所記載の面も)
住民基本台帳カード(顔写真があるものに限る)
個人番号カード(マイナンバーカード)(写真あり・おもて面のみコピー)
※「通知カード」は不可
在留カードまたは特別永住者証明書
各種健康保険証(現住所記載の面も)
公的年金手帳(証書)
各種障がい者手帳(証書)
戸籍謄本または抄本 発行から3ヶ月以内の原本
住民票(個人番号の記載のないもの)
印鑑登録証明書

 

送付先

〒100-0005 
東京都千代田区丸の内2-5-1
一般社団法人全国銀行協会 全国銀行個人信用情報センター

原則として「本人限定受取郵便(特例型)」での郵送になりますが、希望があれば簡易書留で送ることもできます(申込書の右上から選択可能となっています)。

債務整理でブラックリストに載ったらどうなるの?

ここまでで、

・債務整理をするとブラックリストに載る(信用情報機関に記録が残る)
・債務整理によるブラックリストは5年~10年で消える
・自分の信用情報は開示請求ができること

などの解説を行ってきました。

ここでは、債務整理でブラックリスト入りする(信用情報機関に債務整理の情報が掲載される)ことのリスク・デメリットをご紹介します。

債務整理は個人にとっては法律に基づいて生活を再建するための前向きな手続きと言えるのですが、債権者にとっては違います。

債権者からすると債務整理を行なった人というのは「本来返済されるはずの元金と利息を返済しなかった人、貸し倒れを起こした招かれざる客」となるんです。

言葉が悪いですが、債務整理を行なった人というのはお金の面において信用できない人ということになってしまうんです。

普通に考えて、お金を貸しても返してくれなさそうな人や、実際に踏み倒した経験がある人にはお金を貸したくはないですよね。

そのため、ブラックリストに載っている間(信用情報機関に債務整理の情報が掲載されている間)は、クレジットカードや各種ローンなどで様々な制約を受けることになります。

債務整理するとカードローン、キャッシングは利用できない

当たり前ですが、お金のトラブルを起こした人に再度お金を貸すことはできません。

債務整理すると基本的にカードローン、キャッシング、クレジットカードのキャッシング枠などあらゆる借り入れができなくなります。

もし「ブラックリストでも低金利で即日融資が可能です」などという甘い言葉が書かれたDMが家に届いたら、それは間違いなくヤミ金です。

正常な運営をしている貸金業者ならブラックリスト入りしている人に即日融資をするといったDMを送ることはまずありません。

闇金とは絶対に関わり合いを持ったり、問い合わせの電話をしたりしないでくださいね。

お金を借りられないことに不便を感じるかもしれませんが、せっかく債務整理を行なったのですから、借金生活とはきっぱりと縁を切って生き方を変えてみましょう。

スマホ本体の分割払い、ショッピングリボなどが利用できない

債務整理すると、スマホ本体を分割払いで購入したり、家電製品をショッピングリボで購入する、エステを分割払いで利用するなど、「分割」「ローン」と名のつくものは利用できなくなります。

クレジットカードの新規作成ができない、保持中のカードも利用停止となる

クレジットカードを作成する時にも必ず信用情報機関に照会がかかることになります。ブラックリスト入りしていることが発覚することとなり、審査に通ることはできません。

また、すでにお手持ちのクレジットカードも使えなくなります。任意整理でクレジットカードとは関係のない債務整理をしたとしても使えなくなります。

クレジットカード会社は定期的に途上与信という信用情報のチェックを行なっていますので、ここでブラックリストが発覚して、カード利用を止められることになります。

近年はキャッシュレス決済の推進によってクレジットカード払いを多用する人も増えていますが、クレジットカードの支払いは必ず後払いになる以上、借金と言い換えることもできます。

また、キャッシング枠があれば実際にお金を借りることもできるわけです。

そういった性質上、債務整理をした人にクレジットカードを持たせることはできないという判断になります。

債務整理すると住宅ローン、マイカーローンの審査に通らない

住宅ローン、マイカーローンなどの審査では、必ず信用情報が確認されることになります。

住宅ローンもマイカーローンも金額が大きいローンなので、債務整理をしたことがわかると審査に通ることはできません。

気をつけたいのは、個人再生・自己破産では最長10年間もブラックリスト入りしてしまうことです。

今日、自己破産が認められたとすると、10年後の今日まではクレジットカードも作れない、ローンも組めない、住宅ローンを利用して家を買うこともできません。

※10年を待たずともブラックリスト入りしてから数年経過すればローンが組めることもあるのですが、対応は業者ごとに異なります。

債務整理すると賃貸物件を借りられないことがある

これは絶対に借りられないということではなく「保証会社が必須な賃貸物件は借りられない」ということになります。

家を借りるときには保証人をつけるのが一般的ですが、近年では両親などの保護者を保証人にするのではなく、保証会社と契約をして借りるタイプの物件も増えています。

この保証会社が必要な物件の審査は通ることができません。

保証会社は万が一利用者が支払不能に陥ったときに、代わりに返済をする義務があります。

そのため不動産会社は信用情報の照会は行わないのですが、保証会社は利用者の信用情報をしっかりチェックします。

債務整理をしてブラックリスト入りしている人の保証はできかねるというのは当然とも言えますね。

なお従来通りの保証人をつけるタイプの賃貸契約であれば信用情報の照会は行われません(一般的な不動産会社と大家さんは他人の信用情報を閲覧することはできません)ので、ブラックリスト入りしていることが賃貸契約に影響することはありません。

債務整理すると子供の奨学金の保証人になれない

日本学生支援機構の場合、奨学生本人と連帯して返還の責任を負う連帯保証人は原則として「父母」としています。

債務整理をして、ブラックリストしている間は、子供が奨学金を借りるときに保証人になることができません。

ただ、債務整理の影響は本人にのみ及ぶものなので、例えば夫が債務整理をした場合であれば妻なら問題なく保証人になれます。

債務整理とブラックリストのQ&A

ブラックリスト入りすると結婚に影響があるとか、戸籍でわかるなどと聞いたことありませんか?

債務整理によってブラックリスト入り(信用情報機関に記載される)した場合のウソ・ホントや、ちょっと気になることをQ&Aで解説します。

ブラックリストだと戸籍でわかるから結婚できないの?

これは最初に全否定しておきます。

ブラックリスト入りしていることが戸籍謄本や住民票などに載ることは絶対にありません。ちなみに選挙権がなくなることもありませんし、就職にも影響しません。

債務整理をしたことやブラックリスト入りしていることが他人にわかるケースは非常に限られています。

まず、任意整理、特定調停は自分で言わない限りバレてしまうことはまずないでしょう。

クレジットカードを持っていない、スマホを分割購入できないなどの環境から親しい人に「あれ?」と思われてしまう可能性は否定できないですが、債務整理をした事実を、裁判所、債権者、信用情報機関などが本人以外に漏らすことは絶対にありません。

なお、個人再生・自己破産をすると「官報」に氏名と住所が記載されます。

この官報から債務整理をしたことが誰かにわかってしまう可能性は否定できないですが、行政機関の休日を除いて毎日発行される官報を逐一チェックしている知人はまずいないのではないでしょうか?

実際、官報によって友達や親戚の債務整理を知ったことがあるという人は滅多にいないでしょう。

ただ、ブラックリスト入りしているとお金を借りられませんし、住宅ローンも組めませんので、このことは夫婦で築いていく生活にも少なからず影響するでしょう。

現在ブラックリスト入りしていて結婚を考えているということであれば、お相手の方には自分から伝えるべきでしょう。

債務整理をしたことが家族・会社にバレることはないの?

基本的に裁判所、債権者、弁護士などの債務整理に関わった人たちが、債務者本人が知らないところで家族や会社に伝えるということはありませんが、手続き上発覚してしまう可能性はあります。

例えば自己破産をする際は会社から退職金証明書を取得する必要があります。

このときに、会社に自己破産の報告をする義務はないのですが、取得理由を聞かれる可能性はあるでしょう。

また、債務整理を弁護士などの専門家に依頼する場合、電話・郵送によるやりとりが綿密に行われます。

債務整理を家族に内緒にしたい場合も、この流れからわかってしまうことになります。

基本的に、同居している家族に内緒で債務整理を行うのは難しいと思っておきましょう。

「社内ブラック」って何?

一般的なブラックリストとは別に「社内ブラック」というブラックリストもあり、これは信用情報機関ではなく、各債権会社に載っているブラック情報です。

例えばアコムの借金を3ヶ月以上延滞したり任意整理をした場合、信用情報機関にブラックリスト登録されることになりますが、同時にお金を借りているアコム社内にもブラックリスト登録されることになります。

この業者に残っている債務整理の情報のことを社内ブラックと呼んでいます。

信用情報機関の任意整理によるブラックリストは5年で抹消されますが、アコムの社内には半永久的に残ることになります。

ブラックリストから解除されたら新たな借り入れも可能なのですが、社内ブラックとなっている貸金業者からは、今後一切お金を借りることができなくなる可能性があると思っておいてください。

加盟していない信用情報機関でもブラックリストに載るの?

例えばアコム、プロミス、レイクALSAはCICとJICCの2社に加盟しているとご紹介しましたが、この場合KSCはどうなるのかというと、KSCに債務整理情報が記録されることはありません。

信用情報は加盟している信用情報機関にしか記録されないので、CICとJICCではブラックリスト入りしているけどKSCではしていないという状態になっています。

ただ、3社の信用情報機関は「CRIN」という信用情報交流ネットワークシステムでつながっています。

例えば、CICとJICCに債務整理の情報登録がある人が、KSCにしか加盟していない銀行カードローンに申し込みをしたとします。

KSCに債務整理情報は記録されていないのですが、CRINによって発覚することになり、審査に通過することはできません。

▼CRINによって共有される情報
・本人を識別するための情報
氏名・生年月日・性別・郵便番号・住所・電話番号・勤務先・勤務先電話番号など

・契約内容に関する情報
契約日・契約の種類・契約額など

・支払状況に関する情報
異動発生日・情報の種類(異動)・終了状況(完了・貸倒など)など

・申告した内容に関する情報
申告したコメントなど

ブラックリストから消えたら絶対にお金を借りられるようになる?

答えを先に言ってしまうと絶対に借りられるとは限りません。

なぜかというと、ローンやキャッシングなどの審査は総合的な判断が行われるから。

ブラックリスト入りしているというのは非常に大きなマイナス要素であり、解消されたらマイナス要素がひとつなくなることになります。

しかし、年収が著しく低いとか、転職したばかりなど他のマイナス要素があると当然審査に通るのが難しくなるのです。

弁護士さんに「債務整理をしても5年~10年経ったら必ずお金を借りられるんですよね?住宅ローンに通るんですよね?」と確認をする人も多いようですが、絶対審査に通るということはありません。

【まとめ】債務整理の情報は5年~10年で消える!

債務整理は借金問題を解決する法的手続きですが、本来返済すべきお金を減額またはゼロにするということで、当然ペナルティもあります。

このペナルティの部分に関して間違った情報が流れていることもあるので、ぜひ正しい情報を知っておきましょう。

▼債務整理とブラックリストについて
・債務整理をするとブラックリストに載る
・「任意整理」は和解が成立した日から5年間ブラックリストとなる
・「特定調停」は契約期間中および取引終了後から5年間ブラックリストとなる
・「個人再生」は再生手続き開始決定日から5年間~10年間ブラックリストとなる
・「自己破産」は免責許可確定日から5年間~10年間ブラックリストとなる
・自分の信用情報は開示することができる
・債務整理の情報はCRINによって信用情報機関3社で共有される
・「社内ブラック」は貸金業社の社内などに記録されている事故情報のこと
▼ブラックリストの影響について
・ブラックリスト入りしている間はローン、分割払い、クレジットカードが利用できない
・ブラックリスト入りしている間はカードローン、キャッシングなどでお金を借りることはできない。
・ブラックリストが戸籍謄本や住民票からわかることはない
・ブラックリストが結婚や就職に影響することはない

債務整理によってブラックリスト入りすると、生活に影響してくるのも事実ですが、決してマイナスな面だけでないですし、そもそも借金問題が解決するという非常に大きなメリットがあるので、デメリットばかりに目を向けるべきではないでしょう。

また、債務整理のペナルティは5年~10年で解消されます。

一生続くわけではないので債務整理を検討したい場合は、ひとりで悩み続けるのではなく、まず弁護士・司法書士などの専門家に債務整理の相談してみてください。


 

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